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2021年11月より再エネ価値取引市場が誕生。従来の非化石価値取引市場との違いは?
目次
これまでの「非化石価値取引市場」・・・小売電気事業者のみが調達可能。新たな「再エネ価値取引市場」・・・電力を使用する企業(需要家)も直接購入可能。
企業の間で再エネ(非化石)で発電した電力を使うニーズが高まっています。しかし、通常使っている電気が再エネ由来かどうかわかりません。そこで設けられたのが非化石証書の仕組みです。再エネで発電している事業者の発電量に応じて発行された証書を購入することで、企業が再エネを使ったとみなされ、温暖化ガスの排出量を減らしたと証明できるのです。
従来の非化石価値取引市場は電力の小売電気事業者だけが取引可能でした。企業が非化石証書を得たい場合は小売電気事業者から電気+非化石証書のセットで購入するしかありませんでした。
新市場では企業が直接、市場から非化石証書(FIT証書)のみを購入できるようになります。
11月スタートの「再エネ価値取引市場」では入札が年4回あり、11月19日~26日に初の入札受付けがあります。
また、最低価格が従来の4分の1程度まで引き下げられ、現在の1キロワット時1.3円から0.3円か0.4円になる見込みです。最低価格で応札されることが多いため、最低価格の引き下げは事実上の値下げとなります。
非化石証書の中でも、政府によって発電設備に関する属性情報がトラッキング(追跡)された非化石証書が注目されています。このトラッキング付き非化石証書は、事業で使用する電気を再生エネ電気由来100%にすることを目指す国際企業連合であるRE100加盟企業の目標達成手法に活用できるからです。
発電された電気に付随する属性情報は、非化石証書トラッキング事務局の情報基盤システムで一括管理され、小売事業者が購入した非化石証書に付与されます。